抗てんかん薬は薬の種類が多く、なおかつ、それぞれ有効なてんかん発作が複雑に入り組んでいるため、きちんと整理して覚えなければ国家試験では辛くなるでしょう。
抗てんかんには単剤ではなく併用薬としての使用もありますが、とりあえずは単独・併用を問わず、有効となる発作症状を覚えましょう。
覚え方
下のような表を書けるようになれば、発作に有効な抗てんかん薬を一気に覚えられます。
この表の作り方を順を追って解説していきます。
1、強直間代発作、欠神発作、部分発作の並び(Excelなどで言うところの「行」方向)は、
「大発作」「小発作」「部分発作」
→大、小、部分
と思い出して並べます。
(大発作、小発作という呼称は現在はほぼ使われていないのでご注意ください)
2、てんかんの「て」「ん」を表に書くように〇を埋めていくと、有効な発作がわかります。
下記の図の青線が 「て」「ん」 を書いた表です。
3、「列」方向の薬剤名ですが、まずは、バルプロ酸がほぼ全ての発作に使える便利な薬であることを思い出せば、薬剤の1行目にはバルプロ酸が入ることが「て」の字とともにセットで思い出せます。
(バルプロ酸は何度も見聞きする薬ですので、普通に勉強していれば覚えている内容だと思います)
そして、
・ラモトリギン
・ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパムなど)
も該当するので、
バ行[バルプロ酸・ベンゾジアゼピン系薬]、ラ[ラモトリギン]
→バラ(薔薇) と覚えられます。
4、エトスクシミド、トリメタジオンを
→エト、トリ→干支の鳥 などで覚えます。(これは有名な覚え方ですが…)
と覚えます。
欠神発作にのみ有効なことが特徴的なので、これが2行目に入ることは思い出しやすいかと思います。
5、 3行目には頭文字のカタカナが「フ」の部分を含む薬が入ります。
「カ」は表の赤線部分を見てもらえれば、1画目に「フ」を含んでいます。また「レ」も反転・回転させれば「フ」にできます。
(フェニトイン、フェノバルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、レベチラセタム)
この「フ」系の薬を表の〇
6、4行目にはガバペンチン、トピラマートが入ります。
「ガ」バペンチン、「ト」ピラマート
→ガ・ト→ガトーショコラ などの名詞で覚えておくと良いでしょう。
そして「フ系薬剤」と「ガ・ト薬剤」のどちらが表の3行目・4行目に入るかという判断ですが、「フェニトイン、カルバマゼピンはかなりメジャーな薬なので、〇が多い行(つまり3行目)に入る」という覚え方で良いと思います。
そして残った4行目に「ガ・ト薬剤」を入れれば、発作に使える抗てんかん薬の表が完成します。
注意点
・ラモトリギンにも「フ」の部分があるので、「フ系薬剤」 に入れないように注意すること。
・ガバペンチンを3行目の「フ系薬剤」に入れないように注意すること。
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