がん化学療法の略称と使用薬剤

大腸がんの化学療法の、

FOLFOX:フルオロウラシル、レボホリナートCa、オキサリプラチン

や、

FOLFIRI:フルオロウラシル、レボホリナートCa 、イリノテカン

は、略称と使用薬剤の英語名がそのまま対応しているので、比較的覚えやすいかと思いますが、

 

・ホジキンリンパ腫

ABVD療法:ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン

C-MOPP療法 :シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾロン

 

・非ホジキンリンパ腫

R-CHOP療法 :リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン

CHOP療法 : シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン

  

・乳がん

CAF療法 :

シクロホスファミド、ドキソルビシン、フルオロウラシル

AC療法 :

ドキソルビシン、シクロホスファミド

TC療法 :

ドセタキセル 、シクロホスファミド

その他、FEC100(フルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミド)など、多数の化学療法あり。

 

これらのような化学療法の略称は、ABVD療法を例にとると、

A=アドリアマイシン=ドキソルビシン という言い換えをした上での略称になっているものが多数存在するので、大学で学んだ一般名と略称を結び付けにくく、薬剤の内訳を忘れがちになります。

 

今回は、上記に挙げた化学療法をどう覚えていくかという考え方を提案します。

人によってやり方や着想、また、大学の卒業試験などで要求されるレジメンのレベルは様々ですので、ここに乗せていない化学療法でも、この記事をヒントにして、自分なりにアレンジをして暗記をしてみてください。

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覚え方

基本的な戦略は、

・なるべく(大学で教わる)一般名に変換する。

・アルファベットを並び替え、自分が思い出しやすい配列にする。

この2つです。

 

☆ホジキンリンパ腫

◎ABVD療法:ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン

アドリアマイシンをドキソルビシンに再変換し、A→Dにして、

「DBVD」、さらにアルファベットのVと最後尾のDを入れ替え、

DBDV(ダブダブ)」と覚えていました。

 

この並び方であれば、

・「ダブダブ」と読めるので覚えやすい。

・ドキソルビシンが入っていることがわかる。

・D「BV」Dと、BVが入っていることから、ビンブラスチン( Vinblastine)が入っていることがわかる。

と、いいことずくめです。

 

◎ C-MOPP療法 :シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾロン

C、P、Pは覚えやすいですが、ややこしいのはMOがビンクリスチンに当たってしまうところです。

ここは、Mの中央部分がVの形になっていることを利用して、M→Vに置き換えて、

C-VOPP(シー・ボップ)

などと変換してしまいます。

(これでもまだOが余計に入ってしまっているので、覚えられる方々は、「C-VPP」や、「C-VCPP」など、Oを除外した並び方で覚えても良いと思います。)

 

☆非ホジキンリンパ腫 

◎R-CHOP療法 :リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン

HとOを変換して並び替えます。

H=ドキソルビシン(ヒドロキシダウノルビシン)、

O=ビンクリスチン(オンコビン)なので、

H→D、O→Vに変換して並び替えると、

R-CDPV(音楽CDのプロモーションビデオ[PV]のイメージ)

で覚えられます。

 

CHOP療法も同様に覚えてください。


薬がみえる vol.3

☆乳がん

◎CAF療法 :

シクロホスファミド、ドキソルビシン、フルオロウラシル

「カフ」、「キャフ」などと読めることや、下記のAC療法やTC療法との兼ねあいもあるので、A=アドリアマイシン=ドキソルビシンのAは変えずに、このまま覚えるのも一つの方法です 。

(実際の現場での読み方はどうなのかは当方では把握しておりません。ご存じの方がいらっしゃったらご教授下さい。)

A→Dに変換して並び替えるなら、さらにCをカ行読みにしてしまい、

FCD(福田、人の苗字)

と、覚えられます。

 

◎ AC療法 :

ドキソルビシン、シクロホスファミド

◎ TC療法 :

ドセタキセル 、シクロホスファミド

AとTを一般名に合わせる場合、両方ともDに変換できるので、

「DC療法×2」

というように覚えてもいいと思いますが、これだけでは忘れてしまうリスクもあるでしょう。

 

この「DC療法×2」に、さらに追加として、AC・TCのアルファベットに何も変更を加えずに、

・A=アドリアマイシン=ドキソルビシン (丸覚えしてください。アドリアマイシンは見る頻度が高いので、これがドキソルビシンということは、思い出しやすいでしょう。)

・T=キソール(商品名)=ドセキセル

これらを追加で覚えれば、より正確に思い出しやすくなるでしょう。

(特に、Tをパクリタキセルなどと混同しなくて済む効果があります。)

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