『開封販売』と『小分け』

医薬品の販売形態の呼び方の中には、

開封販売

(分割販売や、零売(れいばい)とも呼ばれる。)

小分け

というものがあります。

 

☆『開封販売』については、

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)の、 第四十五条 で、以下のように規定されています。

 

(開封販売等の制限) 第四十五条

店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者及び営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者は、第五十八条の規定によつて施された封を開いて、毒薬又は劇薬を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない

 

この条文などから、

医薬品の開封販売ができるのは

・(薬剤師のいる)店舗販売業者

・(営業所管理者が薬剤師である )卸売販売業者

・『配置販売業者』は(毒薬、劇薬だけでなく、医薬品の)開封販売ができない

特定の人の求めに応じた販売形態

とされています。

 

ごく稀に、処方箋の持参をせずとも医療用医薬品を来局者に販売している薬局があります。

このような運営には賛否両論あるでしょうが、どうしても医療用医薬品の○○が欲しい!という「特定の人」に対して、『開封販売』の販売形態をとっている薬局と言えるでしょう。

 

☆『小分け』については、

医薬品の『製造』に該当する販売形態です。

 

小分けで覚えておくべきなのは、

製造業の許可が必要である

不特定の人を対象とする販売形態である

という点です。

具体的には、軟膏や液剤をあらかじめ特定の量を容器などに取り、その医薬品に必要な表示を記載し、陳列などで不特定の人に販売できるようにすることなどが考えられます。

つまり小売りでは、『製品として誰でも購入できる医薬品』の状態にすることが求められる、と言ってもよいと思われます。

 

※薬局の日常的な業務で、調剤に必要な医薬品の在庫がなかった場合に、他の薬局から必要数を販売してもらうことを慣習的に「小分け」と呼ぶことがありますが、これは正確には『譲受』『譲渡』と呼ぶのが正しいでしょう。

薬局の実務実習で、この慣習的な「小分け」という言葉を聞き慣れてしまった受験生の皆様は、国試では注意してください。

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覚え方

・開封販売と小分けのどちらに製造業の許可が必要か?

 

小分」けは、

製造」である。

 

と、漢字2文字繋がりで覚えれば良いでしょう。

(開封販売を「零売」という単語のみで覚えてしまっていると、この覚え方では混同してしまいますが、小分けは「小分け」という呼称しかないので、この覚え方で対応できると思います。)

 

・その他

配置販売業者は医薬品販売業の中でも可能なことが色々と少ないので、開封販売ができない、というイメージを持てば、開封販売ができない、ということは思い出せます。

 

また、開封販売は、

前述した『稀にある薬局』の営業形態をイメージすれば、その内容を思い出しやすくなります。

インターネットで検索してもその薬局の営業形態についての情報は出てきますので、試験対策の記憶のためにも、一度検索してみることをお勧めします。

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