薬剤師国家試験や各大学の試験では、ステロイド外用薬は『一般名』で問題文に記載されることが多いと思われます。
一般名が長く、似たような文字配列がズラリと揃っているステロイドは、暗記モノとしては非常にやっかいです。
(実際の業務の現場では商品名で覚えてしまったほうが有益だとは思いますが、ペーパーテストでは一般名で覚えないと、どうしようもない状況がでてきてしまいます)
今回の記事では、全てを完全に網羅して暗記できるようなまとめ方ではありませんが、一つでも多くの一般名と強さを関連付けられるような覚え方を紹介します。
あくまでもアイデアの一つなので、自己流でどんどんアレンジして使ってください。
覚え方
ステロイド外用薬とその作用の強さの一覧をまとめました。
(画像はご使用のブラウザの『画像だけを表示』などで鮮明な画像が閲覧できます)
文献やWebサイトによって強さの分類が異なる薬剤がありますので、ご注意ください。
薬がみえる vol.2
暗記の戦略としては、
①のストロンゲストとウィークは、種類が少ないので丸暗記する
↓
②ベリーストロングを覚える
↓
③ストロングを覚える
↓
消去法でミディアムがわかるようにする。
という順序をとります。
① ストロンゲスト・ウィーク
ストロンゲストとウィークは丸暗記です。
ウィークのプレドニゾロンは勉強をしていれば連想するのは容易でしょう。
ストロンゲストのクロベタ『ゾール』~とジ『フロラゾン』~は、『 』をつけた部分が他の一般名との重複がないので、ここを押さえれば覚えやすくなります。
② ベリーストロング
一般名に『ジ』がつく薬(表の青部分)、『ニド』(表の緑部分)、『酸が2つ』ある薬(表の黄色)など、
『2』を連想するような一般名の薬剤がベリーストロングに当てはまりやすいです。
ベリーストロングも英語で書けばVery Strongと、『2単語』に分かれるので、これと結び付ければ覚えやすくなります。
しかし、問題はストロングやメディアムにフルオシノロン『アセトニド』、トリアムシノロン『アセトニド』、プレドニゾロン吉草『酸』エステル酢『酸』エステルなど、この法則に当てはまってしまう薬があることです。
この問題を解消してみましょう。
まずは『アセトニド』群の薬です。
ベリーストロングの薬には『シノニド』という文字列になっていますので、
シノニドの『シノ』を、『2文字』と意識すれば、『アセトニド』群の薬と区別がつけられます。
次に、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、名称の中に、ウィークの『プレドニゾロン』が入っていることから弱い作用寄りの薬であることが連想できます。
よって、『ベリーストロングで酸が2つある薬』と区別できます。
③ ストロング
①~②で、ストロンゲスト、ウィーク、ベリーストロングを覚えられたので、ストロングを覚える段階では、これら3種類を除外して考えます。
この段階での覚え方は非常にシンプルです。
ずばり、
一般名の最初の文字が濁点であれば、ストロング
と覚えられます。
さらに余裕があれば、
デキサメタゾン~、とデキサメタゾンに続く文字列が付く薬
と覚えることもできます。
(この覚え方で問題になるのは、メディアムの『デキサメタゾン(表の灰色部分)』ですが、勉強をある程度している人であれば、デキサメタゾンの作用は弱め、ということはイメージしやすいかと思いますので、
『デキサメタゾン~』と、デキサメタゾンにさらに文字列が続く薬は、デキサメタゾンの作用強化版、とイメージできるでしょう)
ここまでの①~③を覚えれば、残りを消去法で『メディアム』と判断できます。
この暗記法の問題点
この覚え方には2つほど弱点があります。
まずは1つ目です。
ここまでお読みの方はお気づきでしょうが、この覚え方では網羅しきれていない薬剤がいくつか存在します。
それは、
ベリーストロングの『モメタゾンフランカルボン酸エステル』
そして、
ストロングの『フルオシノロンアセトニド』です。
これは良い覚え方が思いつかなかったので、基本的に丸暗記です。
(良い覚え方をご存じの方はぜひコメント等でご教授ください)
2つ目の弱点ですが、
これらのステロイドの一般名は、文字列を前後させて記載されることもあります。
全ては調査しきれませんでしたで一例を紹介します。
ベリーストロングの『ジフルコルトロン吉草酸エステル』は
『吉草酸ジフルコルトロン』
とも記載されることがあります。
この場合は幸いにも、当記事の暗記法を使っても問題はありませんが、他にも様々な書き換えが存在していますので、ご注意ください。
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