アルツハイマー型認知症の治療薬には、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンがあります。
それぞれの特徴と作用機序を覚えましょう。
覚え方
第一選択薬や軽度症状時の治療に使用されやすいのは、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンの3剤ですが、これらは
薬剤名に濁点が付く
という共通点があります。メマンチンには濁点がありません。
よって、この3剤はまとめて覚えられます。
そうすればメマンチンは、これら3剤のいずれかと併用することが多い薬である、ということを思い出しやすくなります。
(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンのアセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、互いに併用しない、という旨の文章がそれぞれの添付文書に記載されているので、この点も注意です。)
次に、各薬剤の薬理作用を覚えていきます。
◎ドネペジル
→土鍋汁(どなべじる)、あっちいー(AChE)
→アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
ダジャレです。
このドネペジルの薬理作用を起点にして、上記の3剤まとめの覚え方を使って、
ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンが、いずれもアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を持つ
ということを関連付けて覚えます。
◎リバスチグミン
・[リバ]スチグミン
→リバース(Reverse)→表裏の2つの側面がある
→2つのコリンエステラーゼ阻害作用がある
→アセチルコリンエステラーゼ阻害作用とブチリルコリンエステラーゼ阻害作用の2つの作用を持つ。
リ[バ]スチグミンのバ→Bにして、Butyl→ブチリルコリンエステラーゼ阻害薬、と繋げても良いでしょう。
・リ[バ]スチグミン
→[バ]を[パ]に変換して、剤形は[パッチ剤]しかない、ということも、ついでに覚えておきましょう。
◎ガランタミン
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用は、上記内容から、もう覚えているでしょう。
・ガラ[ン]タミ[ン]→[ン]をNに変換する
→[ニ]コチ[ン]性アセチルコリン受容体にAPL(アロステリック活性型リ[ガ]ンド)として結合する
※リバスチグミ[ン]にも[ン]がありますが、ガランタミンは[ン]が2個あるので、[ニ]コチ[ン]性~と印象を強く持ちやすいのはこちらでしょう。
・[ガ]ランタミン→リ[ガ]ンド
→ニコチン性アセチルコリン受容体にAPL(アロステリック活性型リ[ガ]ンド)として結合する
◎メマンチン
・メ(M)マ(A)ン(N)チン→M,A,Nを並び替える
→NMDA受容体の非競合的遮断作用
・[メマ]ンチン→[めま]い→回る→回り込む、回り道のイメージ
→アゴニストの結合部位とは違う部位に結合する(回り込む)阻害
→非競合的遮断作用
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